五輪清隆 長崎市議議員 令和3年2月定例会 一般質問

五輪清隆 一般質問

1.人口減少対策について

質 問

長崎市の人口は毎年減少し、特に平成29年からは毎年約5,000名以上減少しているが、今日まで定住人口減少策の取り組みと効果・人口が減少する大きな要因と今後の新たな取り組みについて伺います。更に長崎市の財政は厳しい状況の中で、人口が1名減少することによる普通交付税 ・市民税などの影響について伺います。

回 答

社会減対策は新規雇用者数の確保や移住支援などを行い、自然減対策は待機児童の解消や、子ども福祉医療費の助成拡大を行うなど、成果が出るまでに時間のかかる取り組み、即効性が高い取り組みについて、複合的に人口減少対策に取り組んできましたが、令和3年においては 5,390人減少となっており厳しい状況にあると認識しています。

今後の取り組みは雇用の場の確保に向けて、地元企業の活性化や若年者の地元雇用の促進、企業誘致など積極的に取り組んでいきます。

人口減少が歳入に及ぼす影響は、市民1人が減少すると個人市民税は約4万8千円の減、普通交付税は約7万8千円の減、地方消費税交付金は約1万7千円減で14万3千円の減となりますので、人口減少が与える影響は財政運営上、大きな課題となります。

長崎市の人口の推移

 

2.新たな文化施設の建設について

質 問
令和3年3月議会の本会議質問で基本構想で取りまとめた必要な施設機能や規模、市内のホール型施設の利用状況を踏まえ、ホールを1200席程度とし、旧公会堂にはなかったリハーサル室や練習場などの整備を行った場合、建設費がさらに増えることが見込まれるが、現時点で具体的な金額を示すことが出来ないとの答弁でありましたが、それから1年以上経過した中でも建設費用を示すことが出来ないのか伺います。
回 答

先月末の文化振興審議会において、基本計画骨子案について審議いただき、概ね了解を得たところです。

基本計画骨子案では、市内のホール機能や規模、利用状況等を踏まえ、全体的な機能や規模のバランスが図られ稼働状況も平準化できるよう、どの席からも舞台が見えやすく、満足度の高い鑑賞条件を備えたホール整備が可能となるよう、 基本構想段階から1000〜1200席としていたホール座席数を1000席程度としています。ホール以外の機能は、旧公会堂の課題であったリハーサル室や練習室を整備するとともに、リハーサル室を小規模の演劇公演等の会場としても利用できるようにしています。

エントランスはホールで公演など利用されない日にも、ミニコンサートやイベントの開催・展示等ができ、市民や観光客が芸術文化を通して交流できるスペースとすることで、誰もが芸術文化を広げていく場所となるよう検討しています。
今後の予定は次回の審議会でより詳細な基本計画の素案を示し、パブリックコメントを経たうえで基本計画策定が完了します。

建設費用は平成26年に旧公会堂と同程度の機能を有し、座席数が1000席程度の他都市のホール等を参考に30億円程度と示しています。今回の骨子案で示した座席数1000席程度等を基に想定すると、平成26年に示したものから延床面積が1・5倍程度、また建設資材費や労務単価等が上昇していることから、現時点で試算した場合、建設費も1・5倍程度になるものと見込んでいます。

 

3.長崎市もみじ谷葬斎場の建て替え計画の進捗について

質 問

令和2年2月議会の本会議で「長崎市もみじ谷葬斎場の建て替え計画」について市長・担当部長より計画を具体化するために、庁内に検討チームをつくり、規模・機能・建設時期・候補地などについて考え方を示す基本構想を令和3年度中に策定する答弁がされたが、基本構想はいまだに公表されていないが、どのようになっているのか伺います。

回 答

令和2年6月に庁内の関係課長等で構成する「もみじ谷葬斎場建替えに向けての検討会議」を立ち上げ、施設が全体的に狭隘であり、待合室等が遺族に配慮したものになっていないことなどの課題を踏まえ、2回の会議の中で土木や建築等の専門的な見地からの意見も聴取し、ユニバーサルデザインの観点の必要性や公共施設マネジメントに係る計画との整合性を図るとともに、新しい火葬場の在り方や求められる機能などについて整理を行ってきました。

令和3年1月からは、もみじ谷葬斎場の建て替えについて審議していただく附属機関として、長崎市火葬場整備計画審議会を設置し、新しい火葬場の建替えにあたっての基本的な考え方や必要な機能などについて、3回の審議会の中で議論を進めて来たところです。

基本構想は、新型コロナウイルス感染症の影響や火葬場が有する施設設備等の特殊性などから検討に時間を要しているところですが、9月中の策定に向けて鋭意取り組んでまいります。

 

4.長崎大水害の風化防止について

質 問

昭和57年7月23日、299名の命が奪われた「長崎大水害」から今年で40年となるが、節目の年である今年はどのように市民の皆さんへ情報提供して風化防止を取り組むのか伺います。

回 答

災害の記憶を風化させることなく、将来にわたって語り継いでいくことは、市民の防災意識を高めるために非常に重要であり、毎年7月23日の防災行政無線による黙祷サイレンの吹鳴、市役所本館や各地域センターでのパネル展示や記録映像の上映などにより災害の伝承に取り組んでいます。

今年は40年の節目の年として、長崎大水害を知らない世代への伝承を主眼として更なる啓発に取り組みます。

小・中学生を対象に民間会社から講師を招聘して、指定した学校で長崎大水害に関連した防災学習を実施し、録画した内容を動画配信により全市立小・中学校で視聴することにしています。

多くの市民が参加できる防災イベントとして、出島メッセ長崎で「ながさき防災フェスタ」を開催し、長崎大水害の映像・体験談の視聴・防災に関わる関係機関の防災資機材や車両展示、各種防災体験ができる防災啓発イベントを実施します。

 

5.自治会加入について

質 問

自治会への加入は年々加入率が減少傾向にあります、平成24年は加入率が73・1%から令和4年は64・9%と減少しているが、毎年加入率が下がる要因はどこにあると考えているのか伺います。

回 答

自治会加入率が下がる要因として生活様式の多様化、個人主義の台頭など社会を取り巻く環境の変化により、自治会活動への理解が十分に得られにくいという状況にある事や高齢化の更なる進展により、自治会を脱退する人が増えたり役員の成り手がいないなど、様々な要因が複合的に影響を与えていると考えられます。

毎年11月を「自治会加入促進月間」として、市営・県営住宅入居者説明会での加入依頼・新規建設マンション等への加入の働きかけ、大学新入生オリエンテーション等での資料配布等の取り組みを行っています。

今年度は、自治会加入のメリットが伝わるような加入促進チラシや自治会が加入促進に取り組むうえで参考になるようなハンドブックを作成します。

自治会加入率の推移

参照:五輪きよたかだよりNo81