今回は、本市の地域医療提供体制、中でも命に直結します救急医療体制について質問をいたします。
2月10日の長崎新聞によりますと、佐世保市消防局管内の令和3年における救急出動は、令和2年よりも482件多い1万5,718件であり、1日平均約43件で、33分に1回のペースで出動していたことになるそうです。
また、2月23日のNHKテレビでは、「エマージェンシーコール」として、横浜市消防局の消防指令センターにかかってくる119番通報に関する通信員の放送があり、買物から自宅へ帰ってきた妻から、「主人が倒れて意識がない」と気が動転し、パニックとなっている通報があり、通信員は、想像力を膨らませ、相手の訴えをトリアージして必要な部隊を迅速に出すとともに、慌てている奥さんを落ち着かせ、救急隊が到着するまで声をかけながら必死に心臓マッサージを行ってもらうという、命が助かるか、助からないかといった逼迫した中、口頭で丁寧に指導する場面が流れていました。
一方で、「ひっくり返って立ち上がれないので、誰か手を貸して」とか、「腰が痛くてトイレに行けない。子どもに電話したけれども当てにならない」など、消防の救急というより福祉的な要素の強い通報も増えているそうです。
加えて、「家の裏でおとといの朝から猫が鳴いている」とか、「酒を飲まないと落ち着かないので朝から夜まで飲んでいる。やめたいけれどもやめられない」といった通報もあり、その家族へは適正なアドバイスを行い、理解をしてもらうという対応を行っていました。
これまでも社会問題として度々マスコミにも取り上げられてきましたが、このように搬送を伴わない通報夜間の通報がなかなか減らないとの放送もあっていました。
そこで、本市消防局における119番通報の件数と、そのうちに搬送を伴わないものは何件だったのか、また、どのような通報内容があり、その通報に対してどのような対応を取っているのか、お尋ねします。
あわせて、本市の二次救急医療についての状況として、救急隊が到着し、病院へ問合せを4回以上行っても搬送先が決まらないといった搬送困難の事案件数については、昨日の答弁で、令和元年は421件だったのに対し、令和3年には803件と増加し、平均搬送時間においても、令和元年は36分6秒だったのが令和3年には40分29秒と、2年間で4分23秒延びているとのことでしたが、救急隊員が現場へ到着してから搬送先の病院を選定するまでの手順と、搬送先を決定するまでの一連の流れにおける課題があるとすれば、どのようなものがあるのか。そして、救急出動が増加しているとの新聞報道もありましたが、救急車の台数は足りているのかお尋ねして、1回目の質問を終わります。
当局の119番通報の状況及び救急体制についてお答えいたします。
令和3年中における当局の119番通報受信件数は2万2,365件であり、救急出動は1万5,718件となっております。そのうち、搬送を伴わない、いわゆる不搬送となった事案は2,140件となっております。
続きまして、当局の119番通報の内容とその通報に対する対応につきましてお答えいたします。
当局における119番通報につきましては、「目の前で人が倒れた」、「建物が燃えている」、「交通事故でけが人がいる」など、内容は様々でございますが、消防車や救急車の要請があれば車両を出動させ、対応しております。
また、御質問にもありますような、「倒れて起き上がることができない」、「ベッドから落ちて戻ることができない、手を貸してくれ」といった通報もあります。その他、消防の任務に該当しないとも思われる様々な通報も受信することがありますが、状況が懸念される場合は、消防隊、救急隊などを現場に向かわせて対応しているところです。
次に、救急隊員の病院選定までの手順でございますが、現場に到着した救急隊員は、傷病者や関係者などから情報を収集し、容体の観察を行うとともに、必要な処置を行います。救急車へ収容後は、状況などを医療機関へ連絡し、受入れ確認が取れた時点で搬送を行います。近年では、新型コロナウイルス感染症の影響により、傷病者の観察や確認項目など伝える情報が増えているため、1回の医療機関への問合せに時間を要していることが課題と考えられます。
お尋ねがありました救急車の台数でございますが、国が示す指針に基づき、必要な基準は17台であり、現在配置している救急車も17台と充足している状況でございます。
以上でございます。
答弁をいただきましたので、再質問させていただきます。
119番通報の状況として、令和3年は救急出動が1万5,718件で、その約14%である2,140件が不搬送の件数とのことでした。
また、福祉的要素が強い通報についても、消防隊、救急隊等を向かわせ対応している、救急車は17台で充足しているとの答弁がありました。
しかし、救急車の出動が多くなると、同一出張所管内で同時に複数の通報があることも考えられます。その場合、最寄りの出張所から別の1台が出動することとなり、現地への到着が遅れ、搬送時間が延びることにつながります。このことから、119番通報する側も、それに対しての救急要請が適正にできているのか疑問に思うところです。このことに関しましては、総務省が救急車の適正利用を目的として、全国の自治体に対し、積極的に取り組むように促している救急安心センター事業、通称「♯7119」があります。これは、救急車の出動要請が必要なのかを事前に電話で相談ができるという事業です。救急車を呼んだほうがよいのか、すぐに病院に行ったほうがよいのかなど、判断に迷ったときに♯7119に電話することで、医師、看護師、トレーニングを受けた相談員等が電話口で傷病者の状況を聞き取り、相談内容から緊急性が高いと判断された場合は、迅速な119番通報を促し、緊急性が高くないと判断された場合は、受診可能な医療機関や受診のタイミングについてアドバイスを行うものです。
この事業については、平成30年12月定例会において、久野議員から、この事業は県単位で実施する自治体が多いことから、県と導入に向け取り組むようにとの質問があり、消防局長から、「有効性は高いと認識している。県内の消防長と県との合同会議においても、実情を分析し、検討を進める」とされ、「検討を継続していく」との答弁があっていましたが、その後の検討状況をお示しください。
また、長崎県全体での導入が難しいのであれば、佐世保市消防局管内で導入する考えはないのか、お尋ねします。
本市では、第7次総合計画のKPI「救急隊の出動から病院到着までの時間の目標」35分に対し、令和3年の平均搬送時間は40分29秒と時間がかかっている状況のようですが、病院到着までの搬送時間を1分間短縮することで救命率は何%向上するのか、また、救命率の向上のために行っている消防局の取組についてお尋ねします。
そして、先ほど救急搬送における課題として、近年では、コロナの影響による確認項目の増加や医療機関へ伝える情報量の増加などの要因により、1回の病院問合せに時間を要しているとの答弁をいただきましたが、鎌倉市では、次世代救急医療体制の構築に向け、鎌倉市と医師会、医療システムベンチャーのTXPメディカルの3者が協定を結び、昨年8月から今年3月まで実証事業が行われており、今年度は昨年度よりも拡大して実施されているそうです。
その事業内容ですが、救急隊は、今まで救急搬送先決定のために、患者の情報を紙や手入力に依存し、病院へは電話のみで説明していましたが、AI技術の活用により、音声からデータ化した患者情報と血圧や脈拍といったバイタルや患部の画像等をデータとして病院へ送信します。病院では、これまで救急隊からの電話による情報をメモして院内で共有していたのが、QRコードの形で送信されたデータを基に救急患者の症状を直ちに把握し、医師が直接見ることで受入れ可否の判断を素早くできるのに加え、データは病院の電子カルテに反映することもできます。患者が到着する前に写真でけがなど症状の程度が分かるため、治療に必要な準備も始めることができます。
また、仮に1報目で受入れが確定しなかった場合でも、救急隊は2報目以降も1報目に作成したデータを活用し、そのまま送信することができるので、搬送時間を短縮できるといった事業です。
同様に、実証事業を行っている茨城県日立市では、試行期間終了後も継続して使用を求める声が上がっているそうです。ほかに、宮城県仙南地域、滋賀県高島市でも導入しているそうです。
本市においても、患者の搬送依頼から病院の受入れ確定、そして、受入れ後の対応といった一連の時間を短縮することで、救命率の向上が見込まれるこの事業に取り組むべきと考えますが、当局の所見をお尋ねします。
また、香川県では、県と県医師会が共同で発足させましたかがわ医療情報ネットワーク協議会の運営の下、K-MIX R(かがわ医療情報ネットワーク)が整備されています。これは、患者の同意の下、医療機関で受けた診療情報は全てセンターサーバーに集められ、住民が持っているQRコードつきのカードを専用の端末にかざすと、これまでにかかった病気や薬の情報を見ることができ、患者の同意があれば、どの医療機関でも共有できるというものです。このことにより、入院、転院、退院、通院など、切れ目のない質の高い医療サービスを受けることができるとともに、施設ごとに受ける問診や検査、薬の処方など、重複を減らすことで患者の負担が少なくなり、医師にも患者にとってもメリットは大きいとのことです。
命に関わる緊急時においても、患者の意識がなく、情報が全く取れない場合には、個人情報保護法の例外規定に基づき、緊急カルテ参照を利用し、医師のIDとパスワード、さらには看護師が管理しているカードキーを使い、運転免許証などで名前や生年月日を入力すると、ほかの病院情報を参照することができるそうです。例えば、医師が病名と処方を見ることで、糖尿病だと分かれば、その血糖値がコントロールできていない場合には、手術後、非常に感染症になりやすいとか、心不全があったら麻酔をかけるときに注意してかけないといけないため、扱う薬も変わってくるなど、緊急時においても瞬時に適正な治療ができるそうです。
また、このような医療情報ネットワークは、災害時においても有効であり、岩手県周産期医療情報ネットワーク「いーはとーぶ」の場合を紹介しますと、陸前高田市は、大地震発生から約40分でまちが津波にのみ尽くされました。市役所の機能も全て失われ、市役所にある住民情報や妊婦情報も全て一瞬で失いましたが、いーはとーぶに入力してきたデータが盛岡市にあるサーバーに残っていたため、このデータを陸前高田市に提供できたことで、大津波で失われた妊婦情報を得ることができ、妊婦の安否状況、避難状況の把握、母子手帳の再発行や保健指導にも貢献でき、震災時での有効性を確証されたとのことでした。
長崎県では、あじさいネットが運用されていますが、これは、患者の同意の下で、総合病院などの情報提供病院で受診した医療情報をかかりつけの診療所やクリニックである情報閲覧施設において説明を受けることができるものであります。
香川県のK-MIX Rのように、どこの医療機関ででも診療情報を共有することができて、緊急時や災害時、ワクチン接種といった場合にも利用できる医療情報ネットワークを長崎県でも構築するよう、佐世保市から県へ働きかけが必要と思いますが、当局の所見をお尋ねします。
これで再質問を終わります。
♯7119につきましては、救急車の適正利用推進に併せまして、適正な医療受診、ひいては安全・安心な生活の提供と、幅広い効果があるものと認識しております。
当局におきましても、長崎県をはじめ、各市町の消防及び医療福祉部局で構成する研究会に参加し、事業効果や費用負担に関することなど、具体的かつ建設的な議論を進めております。このような県と各市町の協議の中、広く県民全体へのサービスを提供すべきとの方向性が認識されていることから、佐世保市単独による事業実施は検討しておりません。
救命率の向上に関する御質問につきましては、傷病者や年齢性別など様々であり、その容体も一律ではなく、救命の可能性を数値で表す医学的、統計的基準もないことから、一概に数値でお示しすることは困難でございます。
なお、できるだけ早い応急手当が救命率の向上につながると認識していることから、消防局におきましては、現場に居合わせた方、いわゆるバイスタンダーによる迅速な応急手当実施を目指した救急講習の実施、より早く救急隊を出動させるための119番受信時点での出動予告、通信員による通報者に対し分かりやすい内容での口頭指導といった取組を行っております。
以上でございます。
この応需システムは、救急搬送における受入れ病院と救急隊による迅速な受入先の決定を目的とし、病院側で入力された救急患者受入れの可否情報を救急隊がタブレットにより一目で確認できる仕組みとなっており、その情報を基に、受入れ可能と考えられる病院へ電話で確認をし、了解が得られれば搬送決定となるものです。
救急搬送の現状としましては、搬送件数全体の約94%は救急隊による病院への問合せ回数が3回までに搬送先を決定できている状況でございますが、搬送先決定までに4回以上の問合せを要した、いわゆる搬送困難事案は増加傾向にありまして、時に問合せが10回を超えるようなケースも見られるところです。その原因としまして、新型コロナウイルス感染拡大の初期において、感染が疑われる患者の受入れ体制が未整備であったことが考えられますが、昨年度以降は、二次輪番病院からの離脱による影響が顕著に現れており、根本的な課題に直面しつつあるところでございます。
近年、救急医療体制の確保における課題が急速に浮き彫りとなり、即効性のある打開策を見いだすことが厳しい状況が続いておりますが、本市の救急医療体制の課題に対して中心的に取り組んでいる二次輪番病院長会議におきまして、「課題解決への近道は、現状と課題を一番身近で感じている現場を担う実務者から聞き取り、共通認識とした上で解決に向けた議論をしてはどうか」との御意見がありました。 そこで、本年5月に、本市の基幹4病院に御協力をいただき、急病診療所と消防局を含めた救急医療の現場を担う実務者をもって構成する救急医療体制実務者検討会を設置し、議論を開始したところでございます。実務者検討会は、人材確保などによる持続可能な救急医療体制の確立といった大きな課題の解決が最終的な目標でありますが、日常的な運用面におきましても、改善すべき点が多く指摘されており、早速、応需システムの運用面における改善についての御意見もいただいているところです。 議員御案内の鎌倉市における取組は、一刻も早い救急搬送を実現する手段として応需システムとも目的は同じでございますので、実務者検討会において、改めて現場のニーズ等の問題点を整理しつつ、必要に応じて鎌倉市なども参考にさせていただきながら、各種情報のデータ化に向けてバージョンアップも視野に、研究・検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、医療情報ネットワーク事業についてでございますが、議員御案内のとおり、香川県が構築されているネットワークにつきましては、患者の同意の下、診療情報がセンターサーバーに集約をされ、その情報を全ての医療機関が共有できるものでございまして、例えば救急搬送時において、受入れ病院が患者の診療履歴などの情報を参照できることにより、瞬時に適正な治療を行うことができるというものでございます。
長崎県におきましては、県内の医療機関等がつなぎ情報を共有するネットワークとして、独自のあじさいネットが整備をされており、特定非営利活動法人長崎地域医療連携ネットワークシステム協議会により運営をされております。あじさいネットでは、情報を見せる側と見る側に分けられており、見せる側を情報提供病院と呼び、本市では佐世保市総合医療センター、佐世保共済病院、佐世保中央病院、長崎労災病院の4病院がこれに当たります。
一方の見る側を情報閲覧施設と呼び、県内のかかりつけの診療所や薬局、訪問看護ステーション、介護施設などが参加されております。例えば、市内のかかりつけ医から佐世保市総合医療センターに患者が紹介され、検査・治療を行った場合、紹介先の総合医療センターで行われた治療内容、検査結果、画像データなどを紹介元であるかかりつけ医でも閲覧が可能で、患者退院後の医療につなげることができるというものです。
本年4月現在で県内の情報提供病院は38施設、情報閲覧施設は366施設となってございまして、うち、本市におきましては、情報提供病院が4施設、情報閲覧施設が28施設となっております。 現状としましては、情報閲覧施設数が伸び悩んでいる傾向にありますが、平成29年度実施のアンケート結果によりますと、医療連携ネットワークシステムの有効性や活用方法に関する理解度のほか、電子カルテなどの整備には多額の費用を要するなど、医療設備のICT化を含むネットワーク参加の可否が、あくまで施設側の経営判断に委ねられている状況が、参加する施設に広がりが見られない主な要因と考えております。
現在の医療は、救急医療や高度医療、専門医療などを中心に、市内だけでは完結せず、市外または県内といった広域にまたがることから、緊急時や災害時等における利用を含め、広域的なネットワークの必要性については十分に認識しているところでございます。県が策定しました長崎県医療計画におきましても、限られた資源で効率的に医療・介護サービスを提供するためには、利用者も含めた関係者間での適時適切な情報共有が不可欠なものとして、ICTは極めて有効な手段とされております。あじさいネットにおいては、診療所間での連携など、さらにその機能拡充についても検討が進められていると聞いております。
今後の長崎県医療計画、長崎県地域医療構想の推進に向けた県との協議を通じまして、あじさいネットの現状や今後の方向性等の確認を行いながら、必要に応じて参加の促進や機能拡充の取組を求めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
それぞれに答弁をいただきましたので、再々質問させていただきます。
救急安心センター事業、いわゆる♯7119については、救急車の適正利用促進に併せ、適正な医療受診など、幅広い効果があるものと認識しているとの答弁がありました。
前回、3年半前の答弁でも有効性は高いと認識し、関係機関との会議で実情を分析し、検討を進めるとされておりましたが、いまだ実施には至っておりません。今回、県をはじめとする関係機関で構成する研究会で導入に向けた具体的かつ建設的な議論を進めているとのことで、これまでより一歩進んだ協議が行われているものと理解はしますが、この事業を導入することで、救急医療体制確保の一助となり、市民の安全・安心を実感できるまちづくりにつながるものと思いますので、より一層のスピード感を持って早急な実施に向け取り組んでいただくよう指摘しておきます。
また、AI技術を活用した救急搬送では、既存の応需システムについて、実務者検討会で問題点を整理し、必要に応じて各種情報のデータ化に向けたバージョンアップも視野に検討を進めてまいりたいとのことでした。医療情報ネットワークについても、現在の医療は、救急医療や高度医療、専門医療などを中心に、市内だけでなく、広域的な医療情報ネットワーク構築の必要性は十分に認識しているとのことで、あじさいネットにおいてもネットワークの構築を推進し、診療所間での連携など、機能拡充も検討が進められているとのことでした。
香川県の医療情報ネットワークも、1998年、母子保健医療支援システムがスタートで、そこからバージョンアップを何度も何度も積み重ね、23年目の2021年にK-MIX Rに生まれ変わり、今後も発展させるとのことであります。
この2点については、いずれにしても検討を進めるとの答弁だったと思いますので、今回の質問をきっかけとして、ぜひ他自治体のシステムやネットワークの進捗状況などを確認し、時代に乗り遅れないように慎重に検討を進めていただき、国や県とも連携を密に取り、少しでも早く救命率向上に向けた救急医療体制を確立していただきたいと思います。
そこで、佐世保市では、第7次総合計画におけるICTの活用、佐世保市DX戦略における変革を積極的に推進されていることを考えますと、ぜひ、医療分野においても佐世保市が長崎県をリードするくらいの意気込みで取り組んでいただきたいと思いますが、最後に市長の御所見をお尋ねして、私の質問を終わります。
医療分野におけるDXの推進について私の所見をということでしたので、答弁をさせていただきます。
本市におけるDXの推進につきましては、第7次佐世保市総合計画及び佐世保市DX戦略に基づき、行政経営分野に加えて、まちづくり分野にもその範囲を拡大しているところです。
医療分野におけるDX化については、私自身もその必要性を十分認識するところですが、本市独自によるシステム導入というよりも、国や県全体で実施をするなど、広域的に取組を進めることがより効率的であり、その効果も大きいものと考えます。
今般、6月7日に閣議決定をされました経済財政運営と改革の基本方針2022、いわゆる骨太方針2022におきまして、全国医療情報プラットフォームの創設が明記をされております。これは、全国どこでも診療歴等の医療情報や予防接種、介護情報等が、病院、診療所などで閲覧できるほか、患者さん御自身もマイナポータルを経由して情報の閲覧が可能になるなど、あらゆる情報が共有でき、将来的には、通常時に加え、救急や災害時においても適切で迅速な対応が可能となるものでございます。
また、医療のデジタル化を推進するため、政府内に総理を本部長とし、関係閣僚で構成される、仮称でございますが、「医療DX推進本部」を設置することについても明記されております。
このような状況を踏まえ、本市としましては、国の動きに合わせ、市医師会や市内医療機関とも連携の上、機を逸することのないよう、国や県への提案・要望を行うとともに、医療分野におけるDXの戦略的な推進についても意を用いて積極的に対応してまいる所存でございます。
以上でございます。